マレーシア工場見学

私がキヤノンマーケティングジャパンに勤めていたときの先輩がマレーシアに赴任されているということで、今回会ってきました。工場ではなく販売の会社、キヤノンマーケティングマレーシア(CMM)で働いておられます。CMMには600人の従業員がいるそうですが、日本人は二人だけ。社長はシンガポール人だそうです。以前はもっとたくさんの日本人がいたそうですが、他の日系企業でもなるべく現地人に任せて日本人は帰ってきているようです。

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マレーシアは多民族国家で、マレー系が約70%、中国系が20%、インド系が10%ですが、中国系はお金持ちが多く、マレー系は経済的に劣位にあるようです。

マレーシアでは大半を占めるマレー人の地位を向上し経済的格差を減らすために「ブミプトラ」という政策を行っています。たとえば、公務員や政府系基幹産業ではマレー人を優先的に採用する。企業では役員や社員の一定数はマレー人でなければならない。マレー人はいい条件で銀行融資を受けられるなどなど。

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しかし、現地の人に話を聞くと、中国人はよく働くがマレー人はあまり働かない人が多いと言う人もいました。

マレー人ばかりを優遇するのは人種差別にあたると、海外からの批判も受けています。前首相のナジブ氏はこの政策の緩和に動いていましたが、3000万ドルもの汚職事件で起訴され、再度首相となったマハティール氏はブミプトラ政策の推進派だそうです。

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また、 ナジブ氏は中国の一帯一路の推進派でしたが、マハティール氏はこのままではマレーシアは中国の食い物にされるとして、中国と進めていたシンガポールとマレーシアをつなぐ高速鉄道計画の廃止を表明しています。中国とマレーシアとの関係は日本にも波及してきそうですね。

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