「叱る」「ほめる」はいけない事

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以前NHKでアドラー心理学の特集をやっていました。

アドラー心理学では、「叱る」「ほめる」はいけないことだそうです。「叱る」にもいろいろとあると思うのですが、単に自分の感情をぶつけて、恐怖で相手を支配しようとしてしまうのは特にやってはいけないことです。

子供に対して「うるさい」「やめろ」といった言葉だけで叱っても、何がどう悪いのかがわかりません。また、そういう教育を受けて育った子供は、怒りをぶつけて相手を支配しようとする親の叱り方の真似をしてしまうようになってしまいます。

どうしても叱らないといけない場面はあると思いますが、
親は、先に生まれて知識や体力が子供よりも勝っているというだけで、親と子供は対等の関係にあるというのがアドラー心理学の考え方です。
相手に、何がどういけないのかということを、しっかり伝えることが大切なのです。

 

次に、「ほめる」ということについて
最近は社員をほめて育てましょうという話もよく聞きますよね。私も「ほめる」ことはいいことだと思っていました。

アドラー心理学では、なぜ「ほめる」ことがいけないことなのでしょうか?

子供はほめられるとうれしいものです。「100点取ってえらいね!」とほめられると、次も100点を取ってほめられようと思いますが、100点取れなかったら、それを報告できないかもしれません。また、100点さえ取れれば何をしてもいいと思ってしまうかもしれません。

特に、結果だけをほめてしまうと、子供は結果さえよければいいと思ってしまいます。
がんばってもがんばってもできないことがあれば、自分はだめな人間だと感じるし、がんばらなくても結果が出てしまえば自分は偉いと勘違いしてしまいます。

どんなことをすればほめられるのか、ほめられないのか。
親の顔色を見ながら、親にほめられることだけをしようと思ってしまうかもしれませんし、バレなければ悪いことをしてもいいと思うかもしれません。

また、会社で部下が上司をほめることがないように、「ほめる」という行為自体が、相手を見下していくことになります。
「ほめる」という行為が「叱る」のと同じく相手を支配する行為なのです。親と子供とは対等なので、子供をほめてはいけないのだそうです。

では、どうすればいいのでしょうか?
ほめるのではなく、相手に感謝を伝えるのです。

「弟の面倒を見てくれてありがとう!」

「手伝ってくれてありがとう!」

「○○ちゃんが、がんばっている姿を見て、お母さんは勇気をもらったよ。ありがとう!」

人は、感謝された時に最も勇気がわき、幸福になるのだそうです。

もちろん子供だけでなく部下に対しても同様ですね。私も社員をほめるのではなく、感謝したいと思います。